赤外分光法(FTIR)は、材料の「存在」を見分けるだけでなく、そのわずかな構造の違いを見抜く力をも秘めています。本書『赤外スペクトルによるプラスチック・エラストマーの定性 Vol.3 実践マニュアル マーカーピークによる構造類縁体の識別』は、シリーズの集大成として、構造の類似により一見識別が難しい赤外スペクトル―見た目や物性が似通った材料を**“マーカーピーク”の発見と解釈によって識別する**ための実践的手法を体系的に解説します。
第1巻「基礎編」では赤外スペクトルの読み方を学び、第2巻「逆引き式定性法」では未知スペクトルから材料を絞り込む手順を習得しました。そして本書第3巻では、さらに一歩踏み込み、構造が近い材料間の微妙な差異をどう見抜くかに焦点を当てます。様々なポリマー種における共重合体や炭素数が異なるだけの同族体など“類似した赤外スペクトル”を正確に識別するための解析アプローチを詳しく紹介しています。
本書の中核となるのが、「マーカーピークによる識別法」です。赤外スペクトル中に現れる特定の吸収ピーク――すなわち、その材料固有の構造要素を示す“マーカーピーク”を見極めることで、わずかな化学構造のわずかな違いを判断する方法を体系的にまとめました。波数領域別に、どの官能基や結合が差異を生みやすいか、どのピークを指標として捉えるべきかを具体的に解説しています。
実際の定性にはVol.2とVol.3を利用します。Vol.1で得られた基礎知識の習得により、スムーズな赤外スペクトル解析が可能となります。
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