赤外分光法(FTIRスペクトル)は、高分子材料の構造解析や異物分析に欠かせない手法として、研究・開発から品質管理の現場まで幅広く用いられています。しかし、得られたスペクトルを正しく読み解き、材料を定性するには、経験と確かな知識が求められます。本書『赤外スペクトルによるプラスチック・エラストマーの定性 Vol. 基礎編 赤外スペクトルの読み方』は、「赤外スペクトルの解析は難しい」と感じているすべての技術者・研究者にとって、頼れる一冊です。
本シリーズは、プラスチックおよびエラストマーの赤外スペクトル解析を体系的に学べるよう、**「基礎編」「定性の進め方編」「識別法編」**の3冊で構成されています。本書はその第1巻であり、赤外スペクトルを読むための基礎知識を丁寧に解説します。波数ごとの吸収帯の意味、官能基と分子構造の関係、ピーク形状の違いに込められた情報など、単なる知識の羅列ではなく「なぜそのような形になるのか」を理解できるよう構成されています。
特に本書の特徴は、実際にFTIR(フーリエ変換赤外分光法)で取得したスペクトルを豊富に掲載している点です。理論だけでなく、現場で目にする実データをもとに、どのようにピークを読み取り、どのように判断すべきかを具体的に学べます。スペクトルの重なりや微妙なシフトなど、教科書では触れにくい“現実的な難しさ”にも踏み込み、初学者がつまずきやすいポイントをわかりやすく解説しています。
また、読者が自らの分析業務にすぐ活かせるよう、実用性にも徹底的にこだわっています。未知試料の赤外スペクトルを前にしたとき、「どこから見ればよいのか」「どのピークに注目すべきか」「樹脂種をどう絞り込むか」といった実務的な判断の流れを、具体的な手順で示しています。初心者が理論を“使える知識”として身につけられるよう、図解と解説を組み合わせた構成となっています。
赤外分光分析に携わる研究者・技術者はもちろん、分析化学を学ぶ学生、プラスチック成形や品質管理の現場でトラブル解析を行う技術者にも最適です。これまで感覚的に行っていたスペクトルの読み取りを、科学的根拠に基づいて体系的に理解できるようになります。
赤外スペクトルの解析力は、一朝一夕には身につきません。しかし、本書を手にすれば、その第一歩を確実に踏み出せます。赤外スペクトルの“読み方”を基礎からしっかり学びたい方、そして現場で確信をもって材料を定性したい方に、ぜひ手に取っていただきたい実践的な入門書です。
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